問題児ケンドーカシンから考えるギミックの必要性とシュート技術の有用性

画像引用元:Wikipedia

今回は、
まず、こちら

この動画を見て欲しい。

どうだろうか、この技。

飛びつき式の腕ひしぎ逆十字固め

見ていて、
とても心地よい。

例えるなら、

  • 王貞治の一本足打法
  • 野茂英雄のトルネード投法
  • イチローの振り子打法
  • 五郎丸のプレースキック

一流のスポーツ選手は
誰しもが共通して美しい
「型」を持っている。

今日はそんな一流の型を持つレスラー
ケンドー・カシンについて語りたい。

プロレスと総合格闘技

最近では、
「プロレス」と「総合格闘技」は
全く別物である

という考えが
定着してきていますが、

一昔前までは
プロレスラーこそ最強である
とか、

あのレスラーが
総合格闘技に出場したらどうなるんだろう?
など、

格闘技としての
プロレスに対する

強さ
を求める
多くのファンがいました。

一方で、
最近のプロレス界においては

ギミックや
キャラクターといった

その選手ならではの
特徴や個性が

求められている時代に
なってきているのではないかと感じます。

そこで今回はこの
「強さ」と「キャラクター」

相反する二つの魅力を
個人的に最も併せ持っているのが、

ケンドーカシン選手
ではないかと思っているわけです。

エリートレスラー・石澤常光

ケンドーカシン選手の本名は
石澤常光(いしざわ ときみつ)

1968年8月5日生まれ
青森県出身で、

レスリングの超強豪校
光星学院高校を経て、

早稲田大学
人間科学部を卒業。

実績も目覚ましく
レスリング全日本学生選手権
3連覇。

91年
全日本選手権でも
優勝します。

また石澤選手は当時より
プロレスファンであり、

1992年に
新日本プロレスに入団。

1995年に行われた
新日本で最も成功した興行のひとつでもある

「新日本」VS「UWFインター」
の対抗戦で

本格的なキックや関節技にも対応し、
大活躍。

1996年に行われた
若手選手中心のリーグ戦

「ヤングライオン杯」で
同期の永田裕志選手を破り優勝。

期待の若手
エリートレスラーとして、

順調にキャリアを
積んでいきます。

同年夏に、
ヨーロッパ遠征へ出発。

ここでマスクマン
「ケンドー・カシン」
が誕生します。

覆面レスラーへの転身

1996年7月、
ヨーロッパ遠征へ。

その際に
現地プロモーターの要請を受け
マスクマンへ転身。

1997年に
ケンドー・カ・シン
(のちにカシンに改名)
として凱旋帰国し、

復帰第一戦で
格闘技色の強い
プロレスを展開しますが、

当時の新日本ファンからは
受け入れられず、

マスクマンと
格闘技路線の試合という
ミスマッチさから

失笑を買う
結果となってしまいました。

ヨーロッパでの
ケンドーカシンの
評判の良さに

自信を持って帰国した
石澤選手ですが

「その笑われた時点でマスクをずっと被ろうと決心した」


覆面レスラーを続けるに至る
経緯を述懐します。

その後、
カシン選手は次々と

奇怪な言動・理解不能な行動を
起こすようになっていきます。

IWGPジュニア王座を載冠しても

  • なぜかトロフィーを足蹴にしたり、
  • ベルトを踏んづけたり、
  • トロフィーを破壊する。
  • 記者の「おめでとうございます」の言葉にも「うん、余計なお世話だ」
  • 2000年に総合格闘技PRIDE出場が噂される最中、その件についてアナウンサーに問われたところ「PRIDE?お前が出ろ、バカ!」

と発言。

(同年8月に素顔でハイアングレイシーと対戦)

2001年の
東京ドーム大会では

対戦相手に
カシンではなく石澤選手で
対戦要求され

入場時に
カシンとしてコールされるも

素顔の石澤で
オープンフィンガーグローブを付ける
「PRIDEスタイル」で入場。

わずか26秒で勝利を収めた後、
試合後の会見ではマスクを被り

「俺が石澤からもらったよ、ベルトは」

とあくまで
別人のように振る舞います。

口だけではなく、
実際に強いので、
誰も手が付けられない

「問題児」
キャラクターは、

ジュニアの選手ながら、
ファンから圧倒的な支持を
集めるようになっていきます。

そこには、
ファンから失笑を集める姿は、
もうありませんでした。

その後2002年に
新日本プロレスを退団。

全日本プロレスや海外マット、
総合格闘技の舞台などでも

問題児・ケンドーカシンとして
大活躍を果たしました。

2016年には
慶応義塾大学の非常勤講師に就任。

(講義内容はプロレスエクササイズ)

2019年1月には
WWEのパフォーマンスセンターで
新人育成トレーナーを担当するなど

セカンドキャリアでも
予測不能ぶりを発揮しています。

あとがき「強い」プロレスラー

デビュー当時から
とにかく「強かった」石澤選手ですが

それだけではファンに
受け入れられる事は出来ませんでした。

「本当は、俺のほうが強いのに…」

先に活躍する同期の選手や
後輩選手に対して

そんな思いが
石澤選手の中に

ずっとあったのではないかと
思います。

そんなモヤモヤした感情を
素直にぶちまける事が出来たのが

問題児 ケンドー・カシン。

石澤選手は嘘ではない自身の感情を、
プロレスにおける

「キャラクター」に
昇華させることが出来ました。

「強さ」だけでは
プロレスにならない。

「キャラクター」だけでは
茶番になってしまう。

近年キャラクターが
重視されるプロレス界において

昔からプロレスを
見ているおっさんファンとしては、

カシン選手のような
「強い」プロレスラーが

もう少し増えてほしいなー
という気持ちがあります。

僕の大好きなプロレスラー
ケンドーカシン選手の魅力が、

少しでも読者のみなさまに
伝わっていたら嬉しいです!

コメントなど頂けると嬉しいです!

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マウナケアあつし

ロックとプロレスをこよなく愛する三十路プヲタ 幼少期はいじめられっこだった僕は、ある日父親にプロレス会場に連れていってもらったおかげでプロレスFANになり、強い男になることを決意。いじめっこを「ノド輪落とし」で撃退し、無事にいじめからの脱出に成功できた。プロレス観戦歴20年を超える私のかなり「歪んだ」プロレス観を書いています。詳しいプロフィールはこちら→プロフィール