【新日本プロレス復興】影の立役者「背広組」の漢たち

かつてはドーム興行を打てば
観客が中に入りきらないほどの
人気を集めていた新日本プロレス。

そして地上波でも
ゴールデンタイムに
生放送が組まれるほどでした。

過去、
年間売上高40億円を
上げた事もありましたが、

総合格闘技ブームに流され
人気が低迷した俗にいう

『暗黒時代』
(2005年~2011年頃)

この頃の年間売上は
10億円ほどまで落ち込んだそう。

しかし
棚橋弘至選手、中邑真輔選手など
スターの活躍により人気が復活!

…というのが、
表向きのプロレス復活の
理由として知られていますね。

しかし本当のところ、
プロレスラーの頑張りだけで
復活するものなのか?

というところ。

もちろん、
棚橋選手や真壁選手のように

メディアにたくさん露出することは
大事ですが、

出たいといって
簡単にメディアに
出してもらえるわけもないですよね。

そうです!

レスラーの頑張りの裏に、
本当の立役者がいることを忘れてはなりません。

今回はスポットライトを浴びない
影の立役者たちのお話をしたいと思います。

2012年、ブシロードによる企業買収

これまでの新日本プロレスは

  • アントニオ猪木
  • 藤波辰爾
  • 坂口征二

など
主にレスラーが社長として
兼務をしていました。

2004年からは
レスラーではなく

  • 草間政一
  • サイモン・ケリー猪木

など
レスラーじゃない経営者が
就任することになりますが、

赤字からの脱却は出来ず。

しかし、2007年に
菅林直樹氏が社長に就任したことで、

右肩下がりだったものが
徐々に上へと方向を変えていきます。

そして2012年に
『ヴァンガード』や『BanG Dream!』など

人気コンテンツを多く保有する
ブシロードが新日本プロレスを買収しました。

『マニアがジャンルを潰す』という、
これまで新規ファンを取りこぼし、

さらには手に入れた新規ファンを
古参ファンが逃がしてしまうという構図が
プロレスを潰していくとして、

これまでになかった改革を
続々とやってのけます。

確かに私も古参ファンなので
偉そうなことは言えませんが、

新しい取り組みとかが始まると、
若干の抵抗はありますよね。

でも、そういう取り組みがないと
前へ進めないのは事実。

ジャンルを潰す、
という表現も理にかなっているかなぁと思います。

『昔は良かった』
という言葉自体、

害悪な言葉になっていますからね。

話を戻して2018年

赤字経営だったタカラトミーを
大幅な黒字経営に転換させた

敏腕実業家
ハロルド・ジョージ・メイ氏を
社長兼CEOとして招聘します。

結果、
新日本プロレスの
グローバル化に貢献。

2019年には
聖地と呼ばれるアメリカの
マディソン・スクエア・ガーデン大会や

初のロンドン大会を
実現させます。

2019年8月には
新日本プロレスの過去最高となる売上と
最高利益を達成させるなど、

飛ぶ鳥を落とす勢いにまで
転換させました。

具体的におこなったこと

古参ファンに
すがることなく、

前述した
新規ファンの獲得を

目指すための
経営に着手した
新日本プロレスですが、

具体的に
以下のことを行い始めます。

  • 山手線のラッピング広告での大幅なキャンペーン広告の打ち出し
  • 動画配信サービスの開始
  • 開催地域、場所などの重点的な見直し(会計)
  • メディアでの露出増加、芸能事務所との業務提携
  • WEBコンテンツ、映像などの自社経営

これらすべてに繋がるのが、
やはり『新規』へのアピールでしょう。

また所属選手らへ
ツイッターに参加させるなど

時代にあった『宣伝』で、
今まで遠い存在だったプロレスラーを
より身近に感じさせ、

無償での
最強コンテンツを作り上げました。

そして特に、
動画配信サービスに限っては
国内だけにとどまらず、

半数が海外での
シェア率を誇るとのこと。

海外での経営戦略が
大事と語るメイ社長主導のもと、
この戦略が大成功しました。

やっぱりメイ社長の手腕はすごい!

あの超大手タカラトミーを
復興させただけありますよね。

経営を支えた、背広組

表舞台には立たず
営業らを支えるスタッフ

彼らは『背広組』と呼ばれる。

菅林会長も
この背広組の一員だった。

今まではタニマチ
(簡単に言えばスポンサー)ありきで

興行を行っていた会社の
システムを一新。

これまでの会計方法にも
メスを入れ、

興行の日程や大会場について、
熟考し、吟味するようになりました。

リングで激しく戦う
レスラーと同じように、

数字を見ながら
机上で厳しく議論される。

「ここだったら、これくらい入ればいいよね」
など希望的な観測はせず、

過去の実績、現在の状況を
加味したうえで判断をするようになったのです。

またこれまで外部頼み一辺倒であった
ホームページなどを自社対応にし、

煽りVTRや入場時のタイタントロン
(入場時してくる時モニターに流れる映像)も

自主制作するようにして
徹底的なコストカットで、
無駄を削減してきました。

それこそ会場では、
ただ試合を見させるだけでなく
積極的なファンサービスを行い、

ファンを飽きさせない
仕掛け作りを計画。

いつ、どこで、どの選手を出すかなど、
一興行ごとに綿密に練られていきます。

以前、テレビで
新日本プロレスの営業さんに
密着した番組がやっていました。

なんとなく見ていたのですが、
地方興行で各地域に飛び、

その先々でポスターを貼ってもらい…
ということは今も昔も変わりませんが、

体育館などに行けば
椅子の配置、距離など

綿密な計算を基に
出したものを一つ一つ当てはめていきます。

これが夜の興行であれば、
午前中から行います。

また興行開始前であれば、
受付対応、整列なども行い

試合中も休むことなく走り回る
という中々ハードな仕事内容でした。

地方だからと
気を抜かず、

逆に地方だからこそ
チャンスと思って

顧客を増やしていくという
スタンスに変わった新日本の経営陣。

私はそれを見たときに改めて、
ここまで新日本が復興した理由は
こういうところだろうなぁと思いました。

そして
営業だけにかかわらず、

制作、広報など
一般企業において
各部署分けされている人達が一丸となり、

レスラー達が
輝ける場所作りを行うことで、

魅力あるレスラーへと
押し上げていくのです。

プロレス団体のサイクルは移動式テーマパーク

大きくいってしまえば
プロレスはディズニーランドと一緒で、

  • レスラーはキャラクター
  • 背広組はテーマパークのキャスト

のようなもの。

いつでもファンを
喜ばせられるために、
何をすればいいのか。

キャラクターだけでは
味気がないし、

それだけでファンは呼べない。

キャラクターを活かすために
キャストはどうすればいいのか、

たくさんのキャストが考えて
一つの形として、

キャラクターをデコレートしていくのです。

レスラーも
試合をただ行うだけでは
人気は出ません。

自分自身のキャラクター作り、
マイクアピール、振る舞い、技の鍛錬など
自分の色を作りあげていきます。

プロレスラーと背広組

双方の努力の積み重ねが
結果として

新日本プロレス復興に
繋がったのです。

これからもメディア等で
選手などを見ることが
多くなると思いますが、

その裏にはそこに関わる
『背広組』がいることを
忘れないでくださいね。

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緋空

はじめまして、プロレス全般を愛する緋空と申します。アラサーのパパで小学生の頃からプロレス観戦をはじめました。それからはプロレスにガッチリとハマって、プロレスのテレビ解説や、高校の文化祭でプロレス団体を呼びリングアナをさせていただいたり、インディー団体のリング設営を手伝ったり。あらゆることをやってきましたー。みなさまにプロレスの楽しさを伝えたく筆を執りました。詳しいプロフィール