ファンを見事に裏切った、棚橋と内藤の共通点

新日本プロレスの『太陽』と呼ばれる棚橋弘至選手。

そして『スターダスト』内藤哲也選手。

どちらも現在のトップ戦線を張る代表選手です。

今ではファンの支持も得て、
ファン人気も団体内ではトップクラスでしょう。

しかし2人には
今では考えられないほど、

ファンの支持を得られない時期がありました。

何をしてもブーイング

ファンからは見限られたこともありました。

今回はそんな2選手の不遇の時期から、
どうやってファンの支持を得ることができたのか。

まとめてみたいと思います。

脱・ストロングスタイルの成功者

棚橋選手がIWGPヘビーに初戴冠したのは2006年。

それ以前にはIWGPタッグやU-30ベルトなども戴冠していたが、

至宝のヘビー級ベルトはこの時期。

この年はG1の優勝決定戦も含めて、
まだ第3世代を中心に団体が回っていたころです。

そのため、
IWGPヘビーも永田選手や天山選手などの支持が強く、

今までのストロングスタイルからは少し外れていた棚橋選手の戴冠には、

ブーイングが多く出ていました。

ファンからは

『オリジナリティがない』

『武藤の二番煎じ』

とまで揶揄され、

タイトル戦では毎回相手に声援が飛ぶという不思議な現象も起きていました。

プロレスラーとしてはもちろん、
声援がある方が力にはなりやすい、

ましては完全ベビーフェイスな棚橋選手にとってはこれにこしたことはないです。

しかし棚橋選手は腐らず、
逆に開き直ってファンを挑発するかのように、

ブーイングは全て受け止め、
髪にメッシュを入れたり

ブーイングを煽ったりと、

そして今ではお決まりの『愛してまーす』のマイクアピールです。

しばらくそのような状況が続き、
ブーイングが声援に変わったのは

2009年6月の大阪大会

対中西選手とのIWGP戦だったといいます。

これの前、有名な中西選手初戴冠となるIWGPタイトル戦が後楽園で行われ、

その試合で棚橋選手が王座から陥落。

そのリマッチとなる試合です。

試合は中西選手の大歓声で進みますが、

棚橋選手勝利で試合が終わった後に
今までにはなかった大タナハシコールが起きました。

そこからは、棚橋選手をエースとして新日本プロレスの人気も再浮上。

今まで闇をさまよっていた棚橋選手が『太陽の申し子』になった瞬間でした。

スターダストから制御不能へ

ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン旋風を巻き起こし、
新日本のキープレーヤーとなった内藤哲也選手。

デビュー後、
裕二郎選手とのタッグ『NO LIMIT』でジュニアとヘビーのタッグ戦線を掻きまわしましたが、その後解散。

シングルプレーヤーとなり、
IWGPヘビーに挑戦するなど

精力的な行動を見せますが怪我により戦線離脱をしてしまいます。

そこから内藤選手の苦悩が始まります。

怪我からの復帰をした2013年。

G1優勝という栄光を手に入れ盤石な状態となりましたが、
何をしてもファンからはブーイング。

まるで極悪ヒールになってしまったかのようなほどに。

もちろんこの時の内藤選手はヒールどころか、超ベビーフェイスなのです。

なぜブーイングばかりを受けていたのか。

それは少し前の棚橋選手と似ています。

『IWGPの器じゃねぇよ』
とみな思っていたからです。

内藤選手は行動ではなく、
マイクで『俺が主役だ』と発言しており、
ファンの支持を全く受けていませんでした。

ファンはその時、レインメーカーショックを受けてオカダ選手、

次点で棚橋選手が新日本の主役とまさに感じていたころ。

そこに割込みしてきた『空気を読まない』内藤選手に
大ブーイング、というわけです。

各会場でブーイングを浴びせられ、
円形脱毛症にもなったというほど真面目な内藤選手。

そんな内藤選手は、
2015年にメキシコに向かいます。

これが内藤選手の『デスティーノ』を変えた行動とも言えます。

凱旋帰国後、はちゃめちゃな行動ばかりにファンは戸惑いながらも、

内藤選手の行動・言動に共感をし、

ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの結成。

スターダスト時代には得られなかった歓声が、自然と結びついてきます。

内藤選手自身、新日本プロレスの大ファンだったこともあり、

ファンの意見を代弁するうちにファンが内藤選手を支持していったのです。

「俺が目指さなくても、東京ドームのメインイベントから近寄ってきますよ」

内藤選手の言葉通り、その後はオカダ選手を凌ぐ人気を見せ
まさに『主役は俺』状態になりました。

棚橋弘至・内藤哲也のまとめ

新日本プロレスの主役には2つのパターンがあります。

それはデビュー時から
右肩上がりに人気・支持を得て行くパターン。

もう一つはどん底まで落ちて跳ね上がるパターンです。

今回の2人はまさに後者。

ブーイングという苦汁を飲み、
ファンの手のひらを返し

最高の結果をもたらした人物になりました。

そして2人の共通点は『ファンを裏切ること』です。

棚橋選手は『ブーイングをかわして逆に挑発してやろう』というキャラでありつつも、

誠実なプロレススタイルがファンに届き、歓声に変えました。

内藤選手は『自己主張ばかりを押し付けないで、ブーイングを大歓迎し、新日本のファンである自身の思う事を全て吐く』というスタイルがファンに大ウケ。

かつてのスターダスト時代とは正反対のスタイルが、ファンにもしっくりきたのです。

ファンに愛されたい、ということを押し付けず自分のスタイルを貫いたことでファンが追いかけてきてくれる。

嫌われていた新日本の2大看板は、今や新日本にいなくてはならない存在になったのです。

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緋空

はじめまして、プロレス全般を愛する緋空と申します。アラサーのパパで小学生の頃からプロレス観戦をはじめました。それからはプロレスにガッチリとハマって、プロレスのテレビ解説や、高校の文化祭でプロレス団体を呼びリングアナをさせていただいたり、インディー団体のリング設営を手伝ったり。あらゆることをやってきましたー。みなさまにプロレスの楽しさを伝えたく筆を執りました。詳しいプロフィール